霞ヶ関に“原子力村”
1キロ圏密集 推進へ産官一体
こうした実態に対し、政界からも厳しい目が向けられている。
衆院で経産省OBの電力会社への再就職を追及した塩川鉄也衆院議員(共産)は
「電力業界本位の原発政策推進の見返りに、経産省官僚が電力会社に天下っている。この構造は電力会社を頂点に
広範な関係団体への天下りで成り立っている。関係団体への天下りも禁止し、産官の癒着構造を断ち切るべきだ」と指摘する。
ナトリウム漏れ事件などトラブル続きで休止中の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)を設置した独立行政法人「日本原子力研究開発機構」(茨城県東海村)では、3人の官僚OBが役員を務める。
機構側は、「3人はいずれも専門職としての知見を期待され、公募で選ばれた」と説明する。
同機構にはもう1人、文科省から現役出向中の役員がいる。
こうした現役出向や公募をどう考えるべきか。
やらせ公募可能性ある
公務員制度改革を揚げるみんなの党の山内康一衆院議員は
「若手官僚の現役出向は現場経験を積ませる意義があるが。50代以降の官僚では事実上の勧奨退職(肩たたき)による天下りだ。公募でも、募集要件が官僚出身者に有利になったり、募集側、応募者双方が行政を介して知り合いながら“原子力村”的な馴れ合いが生じたりする可能性がある」と語る。
「こうした『偽装現役出向』や『やらせ公募』がないか厳しくチェックする必要がある」
「原子力村」とは、産.官.学が一体となって原子力行政を推進してきた体制を指すが、官僚OBの再就職を調べる過程で、中央省庁がある東京.霞ヶ関近くに原子力関連団体が多く集まっていることに気付いた。
原発事故での避難区域同様、経産省総合庁舎を中心に半径500メートルの円を描いてみた。
すると、官僚OBの役員がいない団体を含め、原子力関連の財団法人など3ヵ所、電力会社の東京支社2ヶ所がこの範囲に収まった。
同省別館にある原子力安全.保安院はもちろん、文科省、原子力安全委員会もこの圏内だ。
半径1キロまで拡大すると、さらに3つの財団法人などがエリア内に入る。
東京電力本店や、電力2社の東京支社、首相官邸や国会議事堂もこの「1キロ圏内」だ。
中央省庁と関係団体の距離について前述の山内氏は「原子力に携わってきた人達は出身校が同じだったり、長年仕事での付き合いがあったりして、気心が知れていることが多い。
そうした人達が『原子力村』にいると、癒着を生みやすい」と警鐘を鳴らす。
官僚OBが役員を務める場合には、特に注意が必要だとみる。
山内氏は「“スープの冷めない距離”に事務所を置くと、簡単に現役官僚を呼び付けることができるし、自分も役所に乗り込みやすい。現役時代と同じ地域に勤め、同じようなメンバーと慣れ親しんだ店で飲食をする。原子力村の安らぎを覚える分、まだ権限があると錯覚しやすい」と、市民との距離を案じた。

原子力関連団体などの位置

北陸中日新聞(平成23年5月16日:朝刊)
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1キロ圏密集 推進へ産官一体
こうした実態に対し、政界からも厳しい目が向けられている。
衆院で経産省OBの電力会社への再就職を追及した塩川鉄也衆院議員(共産)は
「電力業界本位の原発政策推進の見返りに、経産省官僚が電力会社に天下っている。この構造は電力会社を頂点に
広範な関係団体への天下りで成り立っている。関係団体への天下りも禁止し、産官の癒着構造を断ち切るべきだ」と指摘する。
ナトリウム漏れ事件などトラブル続きで休止中の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)を設置した独立行政法人「日本原子力研究開発機構」(茨城県東海村)では、3人の官僚OBが役員を務める。
機構側は、「3人はいずれも専門職としての知見を期待され、公募で選ばれた」と説明する。
同機構にはもう1人、文科省から現役出向中の役員がいる。
こうした現役出向や公募をどう考えるべきか。
やらせ公募可能性ある
公務員制度改革を揚げるみんなの党の山内康一衆院議員は
「若手官僚の現役出向は現場経験を積ませる意義があるが。50代以降の官僚では事実上の勧奨退職(肩たたき)による天下りだ。公募でも、募集要件が官僚出身者に有利になったり、募集側、応募者双方が行政を介して知り合いながら“原子力村”的な馴れ合いが生じたりする可能性がある」と語る。
「こうした『偽装現役出向』や『やらせ公募』がないか厳しくチェックする必要がある」
「原子力村」とは、産.官.学が一体となって原子力行政を推進してきた体制を指すが、官僚OBの再就職を調べる過程で、中央省庁がある東京.霞ヶ関近くに原子力関連団体が多く集まっていることに気付いた。
原発事故での避難区域同様、経産省総合庁舎を中心に半径500メートルの円を描いてみた。
すると、官僚OBの役員がいない団体を含め、原子力関連の財団法人など3ヵ所、電力会社の東京支社2ヶ所がこの範囲に収まった。
同省別館にある原子力安全.保安院はもちろん、文科省、原子力安全委員会もこの圏内だ。
半径1キロまで拡大すると、さらに3つの財団法人などがエリア内に入る。
東京電力本店や、電力2社の東京支社、首相官邸や国会議事堂もこの「1キロ圏内」だ。
中央省庁と関係団体の距離について前述の山内氏は「原子力に携わってきた人達は出身校が同じだったり、長年仕事での付き合いがあったりして、気心が知れていることが多い。
そうした人達が『原子力村』にいると、癒着を生みやすい」と警鐘を鳴らす。
官僚OBが役員を務める場合には、特に注意が必要だとみる。
山内氏は「“スープの冷めない距離”に事務所を置くと、簡単に現役官僚を呼び付けることができるし、自分も役所に乗り込みやすい。現役時代と同じ地域に勤め、同じようなメンバーと慣れ親しんだ店で飲食をする。原子力村の安らぎを覚える分、まだ権限があると錯覚しやすい」と、市民との距離を案じた。

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関連法人にも天下り
経産OBなど36人 高額報酬原資は電気料金、税
世情から心が離れる連休の谷間の5月2日、経済産業省は幹部OBの電力会社への再就職状況を公表した。
過去50年に68人。
これはこれで驚くべき数字だが、調べてみると、電力会社のほかにも、原子力関連の公益法人や独立行政法人への「天下り」の実態が分かった。
電力会社に中央省庁、そして関連の公的な法人。
一覧すると、都心に根付いた「原子力村」の存在が浮かび上がってくる。
「こちら特捜部」は、原子力行政に携わる経産省と文部科学省が受け持つ公益法人を中心に、原子力や放射線に関連する公益法人や独立行政法人をピックアップ。
これらの団体の監事以上の役員について経歴を調べたところ、官僚OBは17団体に36人(うち非常勤15人)いた。
目立つのは、両省の出身者。
東京電力福島第一原発の事故以来、有名になった原子力安全.保安院の元幹部や、原子力安全委員会の事務局を経験した人もいる。
こうした団体の業務内容をチェックした。
財団法人「日本立地センター」(東京)は原発や核燃料サイクル施設などの建設のため、地域住民らに広報する団体。
同じく「原子力安全技術センター」(同)は、試算結果の公表遅れが問題となった放射性物質の拡散予測システム「SPEEDI」を運用する。
いつものことだが、こうした法人に再就職した官僚OBはどの程度の報酬を手にしているのか。
発展途上国の原子力導入に関する技術協力を行う社団法人「海外電力調査会」(東京)の専務理事の報酬年額は、上限で約2090万円まで認められている。
この団体の2009年度の事業収入約14億4,000万円の8割ほどは、東京電力など全国の電力10社と、電源開発、日本原子力発電の会費.分担金が占めている。
電力会社を支えているのは市民らの電気料金。
その一部が官僚OBの高給の原資にも使われていることになる。
専務理事年額1,500万円
原子力施設での核燃料物質の分析などを担う財団法人「核物質管理センター」(東京)の専務理事の報酬年額は約1,500万円。
2009年度事業収入のうち、9割以上は国からの事業だ。
官僚OB役員の報酬を市民の税金が支える仕組みだ。
原子力施設の検査や原子炉設計などの安全性を評価するという独立行政法人「原子力安全基盤機構」(東京)。
公開されている2009年度の理事長の報酬は年額で約1900万円。
原発など発電施設のある地域の振興を事業内容とする財団法人「電源地域振興センター」(同)の理事長報酬も年額1,900万円(上限)だ。

原子力関連の公益法人、独立行政法人など

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経産OBなど36人 高額報酬原資は電気料金、税
世情から心が離れる連休の谷間の5月2日、経済産業省は幹部OBの電力会社への再就職状況を公表した。
過去50年に68人。
これはこれで驚くべき数字だが、調べてみると、電力会社のほかにも、原子力関連の公益法人や独立行政法人への「天下り」の実態が分かった。
電力会社に中央省庁、そして関連の公的な法人。
一覧すると、都心に根付いた「原子力村」の存在が浮かび上がってくる。
「こちら特捜部」は、原子力行政に携わる経産省と文部科学省が受け持つ公益法人を中心に、原子力や放射線に関連する公益法人や独立行政法人をピックアップ。
これらの団体の監事以上の役員について経歴を調べたところ、官僚OBは17団体に36人(うち非常勤15人)いた。
目立つのは、両省の出身者。
東京電力福島第一原発の事故以来、有名になった原子力安全.保安院の元幹部や、原子力安全委員会の事務局を経験した人もいる。
こうした団体の業務内容をチェックした。
財団法人「日本立地センター」(東京)は原発や核燃料サイクル施設などの建設のため、地域住民らに広報する団体。
同じく「原子力安全技術センター」(同)は、試算結果の公表遅れが問題となった放射性物質の拡散予測システム「SPEEDI」を運用する。
いつものことだが、こうした法人に再就職した官僚OBはどの程度の報酬を手にしているのか。
発展途上国の原子力導入に関する技術協力を行う社団法人「海外電力調査会」(東京)の専務理事の報酬年額は、上限で約2090万円まで認められている。
この団体の2009年度の事業収入約14億4,000万円の8割ほどは、東京電力など全国の電力10社と、電源開発、日本原子力発電の会費.分担金が占めている。
電力会社を支えているのは市民らの電気料金。
その一部が官僚OBの高給の原資にも使われていることになる。
専務理事年額1,500万円
原子力施設での核燃料物質の分析などを担う財団法人「核物質管理センター」(東京)の専務理事の報酬年額は約1,500万円。
2009年度事業収入のうち、9割以上は国からの事業だ。
官僚OB役員の報酬を市民の税金が支える仕組みだ。
原子力施設の検査や原子炉設計などの安全性を評価するという独立行政法人「原子力安全基盤機構」(東京)。
公開されている2009年度の理事長の報酬は年額で約1900万円。
原発など発電施設のある地域の振興を事業内容とする財団法人「電源地域振興センター」(同)の理事長報酬も年額1,900万円(上限)だ。

原子力関連の公益法人、独立行政法人など

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