仮設より復興住宅を
「家賃」格安/集落ごと
宮城・石巻 夢築けるか 工学院大教授ら挑戦
東日本大震災から間もなく3ヶ月。
被災各地で仮設住宅の建設が進むが、用地不足や住民の要望にあわないといった問題が噴出している。
そんな中、宮城県石巻市で、ある“実験”が始まった。
被災者向けに、低コストでずっと住める住宅を建設するプロジェクトだ。
失った“マイホーム”を再建できる、目からウロコの計画とはー。
先月末、プロジェクトを提案した工学院大の後藤治教授(日本建築史)らと、石巻市北上町の建設予定地を訪れた。
海抜約50メートルの山の中腹にあり、眼前に海が広がる。
北上川の河口に目をやると、児童の7割が亡くなった市立大川小学校が、雨に霞んで見えた。
以前は別荘地だった斜面に、棚田のように土地が造成されている。
ここに、木造住宅計11棟を建てる。
すぐ近くで集落ごと壊滅した白浜地区の住民らを対象に、2階建て住宅(約66平方メートル)7戸と、平屋住宅(約42平方メートル)3戸を建設。
さらに、震災孤児や高齢者が暮らせる共同住宅1棟もつくる。
今月中に着工し、夏には被災者の入居を目指す。
4人家族で入居予定という白浜地区の漁業佐々木義延さん(48)は、町内の運動場に仮設住宅が建ったが、申し込まなかった。
「海から離れて漁師は出来ない。仮設に入った知人は、壁が薄くて声が筒抜けだと嘆いていた。何より、海が見えないと落ち着かない」
自宅は流され、丹精込めたホタテやカキの養殖施設は全滅した。
それでも佐々木さんは「家族でずっと住める家があれば、仕事の再開にも力が入る」と声を弾ませる。
住宅問題で何より高いハードルが建設資金。
2重ローンなどで苦しむ被災者に多額の負担は望めないからだ。
ところが、後藤教授らは発想の転換で難題をクリアした。
2年で解体 ニーズ合わず
厚労省によると、仮設住宅1戸の基準価格は238万7000円。
「今回の大規模な被災状況ではこれを上回ると予想している」(担当者)。
この建設費に、2年後に解体する費用を加えると、1戸あたり500万円ほどかかる。
さらに被災者生活再建支援法で住宅全壊世帯に支給する最大300万円の合計800万円が、被災者が住宅を確保するために国が負担する金額となる。
このお金を復興住宅に回せば、1戸あたりの費用が土地代込みで1200万円として、差額400万円で建設できる。
差額分は、公営住宅の家賃として回収する。
25~30年の定期借家、借地契約を結べば、被災者の負担は月2万円以内に収まる。
後藤教授らがこの方法を考えたのは
「仮設住宅以外の選択肢とつくりたい。仮設と同程度の公費負担で、被災者が安心して住める住宅をつくれないか」との思いからだった。
趣旨に賛同した建材会社の住生活グループ(東京)が工学院大に2億円を寄付。
資材通販会社や建築設計士の協力も得られた。
後藤教授は「民間の出資で成り立っている今回のプロジェクトはあくまでモデル。今後はこれと同じやり方で、低家賃の公営住宅を建設できないか」と提案する。

北陸中日新聞(平成23年6月7日:朝刊)
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東日本大震災から間もなく3ヶ月。
被災各地で仮設住宅の建設が進むが、用地不足や住民の要望にあわないといった問題が噴出している。
そんな中、宮城県石巻市で、ある“実験”が始まった。
被災者向けに、低コストでずっと住める住宅を建設するプロジェクトだ。
失った“マイホーム”を再建できる、目からウロコの計画とはー。
先月末、プロジェクトを提案した工学院大の後藤治教授(日本建築史)らと、石巻市北上町の建設予定地を訪れた。
海抜約50メートルの山の中腹にあり、眼前に海が広がる。
北上川の河口に目をやると、児童の7割が亡くなった市立大川小学校が、雨に霞んで見えた。
以前は別荘地だった斜面に、棚田のように土地が造成されている。
ここに、木造住宅計11棟を建てる。
すぐ近くで集落ごと壊滅した白浜地区の住民らを対象に、2階建て住宅(約66平方メートル)7戸と、平屋住宅(約42平方メートル)3戸を建設。
さらに、震災孤児や高齢者が暮らせる共同住宅1棟もつくる。
今月中に着工し、夏には被災者の入居を目指す。
4人家族で入居予定という白浜地区の漁業佐々木義延さん(48)は、町内の運動場に仮設住宅が建ったが、申し込まなかった。
「海から離れて漁師は出来ない。仮設に入った知人は、壁が薄くて声が筒抜けだと嘆いていた。何より、海が見えないと落ち着かない」
自宅は流され、丹精込めたホタテやカキの養殖施設は全滅した。
それでも佐々木さんは「家族でずっと住める家があれば、仕事の再開にも力が入る」と声を弾ませる。
住宅問題で何より高いハードルが建設資金。
2重ローンなどで苦しむ被災者に多額の負担は望めないからだ。
ところが、後藤教授らは発想の転換で難題をクリアした。
2年で解体 ニーズ合わず
厚労省によると、仮設住宅1戸の基準価格は238万7000円。
「今回の大規模な被災状況ではこれを上回ると予想している」(担当者)。
この建設費に、2年後に解体する費用を加えると、1戸あたり500万円ほどかかる。
さらに被災者生活再建支援法で住宅全壊世帯に支給する最大300万円の合計800万円が、被災者が住宅を確保するために国が負担する金額となる。
このお金を復興住宅に回せば、1戸あたりの費用が土地代込みで1200万円として、差額400万円で建設できる。
差額分は、公営住宅の家賃として回収する。
25~30年の定期借家、借地契約を結べば、被災者の負担は月2万円以内に収まる。
後藤教授らがこの方法を考えたのは
「仮設住宅以外の選択肢とつくりたい。仮設と同程度の公費負担で、被災者が安心して住める住宅をつくれないか」との思いからだった。
趣旨に賛同した建材会社の住生活グループ(東京)が工学院大に2億円を寄付。
資材通販会社や建築設計士の協力も得られた。
後藤教授は「民間の出資で成り立っている今回のプロジェクトはあくまでモデル。今後はこれと同じやり方で、低家賃の公営住宅を建設できないか」と提案する。

北陸中日新聞(平成23年6月7日:朝刊)
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