西日本豪雨 生活再建「見通せず」65%
住宅壊滅の窮状深刻
西日本豪雨で各地に大雨特別警報が発表され、大きな被害が出てから6日で1ヶ月となるのを前に、犠牲者が多かった岡山、広島、愛媛3県の被災者計117人に共同通信が実施したアンケートで「生活再建の見通しが立っていない」との回答が65.8%に上ることが4日、分かった。
住宅や家財道具が壊滅的な被害を受けた被災者の窮状は深刻で、政府や各自治体には、被災地のニーズに合わせた迅速な支援が求められる。
共同通信アンケート
アンケートは7月28日~31日の4日間、岡山県は倉敷市真備町地区、広島県は広島市など5市1町、愛媛県は宇和島市など3市で実施。
避難所や自宅にいた岡山45人、広島51人、愛媛21人から回答を得た。
生活再建の見通しを尋ねた所、77人が「立っていない」と回答。
県別では岡山が75.6%、広島64.7%、愛媛47.6%だった。
半数以上が、損壊した自宅再建の先行きが不透明であることを理由に挙げた。
被災者に対する公的支援制度への満足度については「満足」「やや満足」が計7.7%にとどまる一方、「やや不満」「不満」は計33.3%に上った。
最も多かったのは「制度をよく知らない」の42.7%で、被災者に浸透していない実情も浮き彫りになった。
生活再建に必要な費用は「1千万円以上」と答えた人が35.0%と最も多かった。
1千万円未満の選択肢を選んだ人は合計31.6%だった。
「日用品は何一つなく、費用は想像がつかない」(愛媛・58歳男性】などの理由で「分からない」とした人も28.2%いた。
岡山県の自営業男性(48)は「自宅が全壊し再建に3千万円かかる。支援金が何の足しになるのか」と嘆いた。
今後、最も必要な支援については、補助金や見舞金などの「経済面での公的支援の充実」を挙げた人が46.2%、電気や水道、道路などの「インフラ復旧」が13.7%、「仮設住宅への早期入居」が12.0%と続いた。

北國新聞:平成30年8月5日朝刊より一部コピー↑
住宅壊滅の窮状深刻
西日本豪雨で各地に大雨特別警報が発表され、大きな被害が出てから6日で1ヶ月となるのを前に、犠牲者が多かった岡山、広島、愛媛3県の被災者計117人に共同通信が実施したアンケートで「生活再建の見通しが立っていない」との回答が65.8%に上ることが4日、分かった。
住宅や家財道具が壊滅的な被害を受けた被災者の窮状は深刻で、政府や各自治体には、被災地のニーズに合わせた迅速な支援が求められる。
共同通信アンケート
アンケートは7月28日~31日の4日間、岡山県は倉敷市真備町地区、広島県は広島市など5市1町、愛媛県は宇和島市など3市で実施。
避難所や自宅にいた岡山45人、広島51人、愛媛21人から回答を得た。
生活再建の見通しを尋ねた所、77人が「立っていない」と回答。
県別では岡山が75.6%、広島64.7%、愛媛47.6%だった。
半数以上が、損壊した自宅再建の先行きが不透明であることを理由に挙げた。
被災者に対する公的支援制度への満足度については「満足」「やや満足」が計7.7%にとどまる一方、「やや不満」「不満」は計33.3%に上った。
最も多かったのは「制度をよく知らない」の42.7%で、被災者に浸透していない実情も浮き彫りになった。
生活再建に必要な費用は「1千万円以上」と答えた人が35.0%と最も多かった。
1千万円未満の選択肢を選んだ人は合計31.6%だった。
「日用品は何一つなく、費用は想像がつかない」(愛媛・58歳男性】などの理由で「分からない」とした人も28.2%いた。
岡山県の自営業男性(48)は「自宅が全壊し再建に3千万円かかる。支援金が何の足しになるのか」と嘆いた。
今後、最も必要な支援については、補助金や見舞金などの「経済面での公的支援の充実」を挙げた人が46.2%、電気や水道、道路などの「インフラ復旧」が13.7%、「仮設住宅への早期入居」が12.0%と続いた。

北國新聞:平成30年8月5日朝刊より一部コピー↑
避難所に今も4千人
西日本豪雨3週間
西日本豪雨で広範囲に大雨特別警報が出され、犠牲者が相次ぐ事態となってから27日で3週間となった。
総務省消防庁によると、午前9時半の時点でなお11県の約2万3800人に対し避難指示が出ており、10府県で約4千人が避難所に身を寄せている。
住宅被害は全国の約4万3千棟に膨らんでいる。
避難指示は、広範囲にわたる浸水被害で多数の犠牲者が出た岡山県倉敷市真備町地区で継続しており、兵庫、愛媛各県でもそれぞれ200人以上が対象となっている。
気象庁によると、台風12号が東日本から西日本に上陸する恐れがある。
中国地方は29日に大雨となる見込みで、被災各地は警戒を強めている。

北國新聞:平成30年7月28日朝刊より一部コピー↑
西日本豪雨3週間
西日本豪雨で広範囲に大雨特別警報が出され、犠牲者が相次ぐ事態となってから27日で3週間となった。
総務省消防庁によると、午前9時半の時点でなお11県の約2万3800人に対し避難指示が出ており、10府県で約4千人が避難所に身を寄せている。
住宅被害は全国の約4万3千棟に膨らんでいる。
避難指示は、広範囲にわたる浸水被害で多数の犠牲者が出た岡山県倉敷市真備町地区で継続しており、兵庫、愛媛各県でもそれぞれ200人以上が対象となっている。
気象庁によると、台風12号が東日本から西日本に上陸する恐れがある。
中国地方は29日に大雨となる見込みで、被災各地は警戒を強めている。

北國新聞:平成30年7月28日朝刊より一部コピー↑
高齢者施設252か所被災
西日本豪雨 避難生活600人超
西日本豪雨で被災した岡山、広島など13府県で、特別養護老人ホームや認知症グループホームなど計252施設が水没や床上浸水などの被害に遭い、このうち30施設に入所する高齢者644人が別の施設や病院などに移って避難生活をしていることが24日、厚生労働省のまとめで分かった。
高齢化で要介護の受け皿となる施設は増加傾向で、災害への備えや避難長期化に向けた対策が急務だ。
障碍者施設も京都など9府県の63施設が被災し、広島、岡山両県の2施設40人がほかの施設などに移った。
豪雨が福祉施設にも大きな爪痕を残した形だ。
厚労省が自治体に被害情報の提供を求め、24日午前10時までの報告をまとめた。
現場は混乱が続いており、同省が把握している以上に被害が広がっている可能性がある。
高齢者施設の被害を府県別にみると、最も多いのは岡山の69施設で、広島62施設、福岡41施設と続いた。
特養などに入所していた高齢者で避難しているのは、岡山で12施設316人、山口1施設99人、広島9施設86人などとなっている。
岡山県倉敷市では特養が一時水没し、入所者約30人全員を別施設に移した。
愛媛県大洲市の特養では、裏山が崩れて1階に土砂が流入。
けが人はいなかったが、入浴設備やエアコンなどが使用不能となり、入所者約50人の受け入れ先確保を急いでいる。


北國新聞:平成30年7月25日朝刊より一部コピー↑
西日本豪雨 避難生活600人超
西日本豪雨で被災した岡山、広島など13府県で、特別養護老人ホームや認知症グループホームなど計252施設が水没や床上浸水などの被害に遭い、このうち30施設に入所する高齢者644人が別の施設や病院などに移って避難生活をしていることが24日、厚生労働省のまとめで分かった。
高齢化で要介護の受け皿となる施設は増加傾向で、災害への備えや避難長期化に向けた対策が急務だ。
障碍者施設も京都など9府県の63施設が被災し、広島、岡山両県の2施設40人がほかの施設などに移った。
豪雨が福祉施設にも大きな爪痕を残した形だ。
厚労省が自治体に被害情報の提供を求め、24日午前10時までの報告をまとめた。
現場は混乱が続いており、同省が把握している以上に被害が広がっている可能性がある。
高齢者施設の被害を府県別にみると、最も多いのは岡山の69施設で、広島62施設、福岡41施設と続いた。
特養などに入所していた高齢者で避難しているのは、岡山で12施設316人、山口1施設99人、広島9施設86人などとなっている。
岡山県倉敷市では特養が一時水没し、入所者約30人全員を別施設に移した。
愛媛県大洲市の特養では、裏山が崩れて1階に土砂が流入。
けが人はいなかったが、入浴設備やエアコンなどが使用不能となり、入所者約50人の受け入れ先確保を急いでいる。


北國新聞:平成30年7月25日朝刊より一部コピー↑
西日本豪雨2週間
病院の被害6府県95件
断水や停電、機能不全に
西日本を中心とした豪雨により広島や愛媛、岡山など6府県の計95の医療機関が浸水や断水、停電などの被害を受けた事が20日、厚生労働省のまとめで分かった。
診療停止や手術延期、患者のヘリコプター移送につながったケースもあり、多数の患者に影響が出た。
病院が機能不全に陥る事態は大災害のたびに起きている。
豪雨で甚大な被害が出てから2週間。
専門家は「今後も全国で起こり得る。防災や相互支援計画の充実が急務」と指摘する。
厚労省の地域医療計画課が病院や診療所の被害状況を調査し、20日朝までの集計で広島県64、愛媛県20、長崎県5、京都府2、岡山県3、福岡県1に上った。
地域一体が浸水し孤立した岡山県倉敷市真備町地区の「まび記念病院」(80床)は1階に浸水した後に停電し、緊急用発電機も機能せず、患者らはヘリやボートで救出された。
今も完全には復旧しておらず、一部は近隣の病院などで診療や処置を受けている。
断水した広島県呉市の「済世会呉病院」(150床)は市や自衛隊から給水を受け、緊急性の低い手術は延期するなどしてしのいだ。
13日に水道の浄水が復旧し通常の診療や手術を再開した。
腎臓病患者は、きれいな水がないと通常週3日の人工透析を受けられなくなり、命に関わる。
岡山、広島両県の施設では断水被害で透析ができなくなり、自治体や自衛隊の給水を待った。
土砂災害などで通院路が遮断されて患者が投石施設へ行けない事態も相次ぎ、愛媛県では海上保安庁のヘリが施設に搬送した。
氾濫危険メール 倉敷で配信されず
堤防決壊の小田川
西日本豪雨で堤防が決壊して氾濫し、甚大な被害をもたらした岡山県倉敷市の小田川について、氾濫危険水位に達したことを知らせる緊急速報メールが国土交通省から配信されていなかったことが20日、同省中国地方整備局への取材で分かった。
国交省は5月から、国が管理する河川の洪水情報を緊急速報メールで提供している。
同整備局によると、国交省が県や市町村に知らせる洪水情報は6日午後10時20分に出されていた。
その後、小田川の氾濫の危険を通知する「氾濫のおそれ」とのタイトルのメールが倉敷市民に配信されるはずだったが、送信されなかった。
氾濫後の7日午前0時47分に「氾濫発生」のメールのみが配信された。


北國新聞:平成30年7月21日朝刊より一部コピー↑
病院の被害6府県95件
断水や停電、機能不全に
西日本を中心とした豪雨により広島や愛媛、岡山など6府県の計95の医療機関が浸水や断水、停電などの被害を受けた事が20日、厚生労働省のまとめで分かった。
診療停止や手術延期、患者のヘリコプター移送につながったケースもあり、多数の患者に影響が出た。
病院が機能不全に陥る事態は大災害のたびに起きている。
豪雨で甚大な被害が出てから2週間。
専門家は「今後も全国で起こり得る。防災や相互支援計画の充実が急務」と指摘する。
厚労省の地域医療計画課が病院や診療所の被害状況を調査し、20日朝までの集計で広島県64、愛媛県20、長崎県5、京都府2、岡山県3、福岡県1に上った。
地域一体が浸水し孤立した岡山県倉敷市真備町地区の「まび記念病院」(80床)は1階に浸水した後に停電し、緊急用発電機も機能せず、患者らはヘリやボートで救出された。
今も完全には復旧しておらず、一部は近隣の病院などで診療や処置を受けている。
断水した広島県呉市の「済世会呉病院」(150床)は市や自衛隊から給水を受け、緊急性の低い手術は延期するなどしてしのいだ。
13日に水道の浄水が復旧し通常の診療や手術を再開した。
腎臓病患者は、きれいな水がないと通常週3日の人工透析を受けられなくなり、命に関わる。
岡山、広島両県の施設では断水被害で透析ができなくなり、自治体や自衛隊の給水を待った。
土砂災害などで通院路が遮断されて患者が投石施設へ行けない事態も相次ぎ、愛媛県では海上保安庁のヘリが施設に搬送した。
氾濫危険メール 倉敷で配信されず
堤防決壊の小田川
西日本豪雨で堤防が決壊して氾濫し、甚大な被害をもたらした岡山県倉敷市の小田川について、氾濫危険水位に達したことを知らせる緊急速報メールが国土交通省から配信されていなかったことが20日、同省中国地方整備局への取材で分かった。
国交省は5月から、国が管理する河川の洪水情報を緊急速報メールで提供している。
同整備局によると、国交省が県や市町村に知らせる洪水情報は6日午後10時20分に出されていた。
その後、小田川の氾濫の危険を通知する「氾濫のおそれ」とのタイトルのメールが倉敷市民に配信されるはずだったが、送信されなかった。
氾濫後の7日午前0時47分に「氾濫発生」のメールのみが配信された。


北國新聞:平成30年7月21日朝刊より一部コピー↑