「支援」の責任 自覚を
他の自治体も電力株を保有
電力会社の株式を所有する自治体は、東京都だけでない。
各社の有価証券報告書によると、美浜原発(福井県美浜町)、高浜原発(同県高浜町)を抱える関西電力は、大阪市が保有率8.9%でトップ。
神戸市も2.9%で4位に入る。
志賀原発(石川県志賀町)を運転する北陸電力も、筆頭株主は富山県で保有率は5.1%に上る。
島根原発(松江市)のある中国電力についても、山口県が電力株所有を目的に設立した山口県振興財団が13.3%でトップ。
財団の理事長は二井関成知事が務める。
山口県では、上関原発の建設計画に対して、住民の反対運動が続いている。
しかし、二井知事は建設予定地となる海面の埋め立てを許可し、建設を容認する姿勢を示してきた。
いずれの自治体も戦前からの出資を引き継いだとみられるが、原発推進を資本面で支えてきたことは間違いない。
問題は都が株主としての責任をどれだけ果たしてきたかだろう。
大口投資をしている以上、都は住民の立場を代弁するのが筋だろうが、交通局財務課の担当者は
「株主総会には都合がつく職員が出席してきた。何十年前は分からないが、会社提案の議案に反対したケースはこれまでにないと思う」と話す。
株配当の使途も周知されているとは言い難い。
東電の資料によると、2009年度の配当は1株当たり年間60円で、都には約25億円の配当があった計算になる。
「配当は都営バス事業の収入に繰り入れてきた。
かつて都が電気を使って路面電車を運行していた関係で、最初は路面電車事業の収入に充てられた。
路面電車が廃止されるに従い、これを引き継いで都営バス事業の収入となった」(同)
議会でもあまり注目されいない。
都議会の議事録を調べたところ、東電株の問題が議論されたことは過去10年間で一度もなかった。
株主総会の対応も議会への報告義務がない。
今後について、同課の担当者は「これまでも転売目的で所有していたわけではなく、現時点で東電株の売却は考えていない。株主総会の対応などは未定だ」と答えた。
今回の原発事故では、都民も計画停電の不利益を被った。
一方で、福島県民の受忍を前提とした電力を消費してきた。
多大な補償を迫られる状況を考えると、今まで通りの配当は望めそうもない。
四期目を迎える石原慎太郎知事は「私は原発推進論者です、今でも。日本のような資源のない国で原発を欠かしてしまったら経済は立っていかない」と公言するが、大株主として従来通りの対応でいいのか。
NPO法人「株主オンブズマン」代表を務める関西大の森岡孝二教授(企業社会論)は
「福島原発の問題は、都民だけでなく国民の関心事となっている。東電が進めた原子力政策をどう考えるのか、資本で東電を支えてきた都の姿勢も問われている」と指摘する。
「状況は異なるが、現在の東電はリーマン・ショック後に一時国有化された米国のGM(ゼネラル・モーターズ)に似ている。
株価の損失で都民の資産を減らした事情について、都には説明責任がある。会社提案の議案に、なぜ賛成して、なぜ反対したのか。株主総会の対応も、住民に提示する必要があるだろう」
関連記事【福島事故 東電の株暴落続く】

電力会社の株を所有する主な自治体
*2009年度の各社有価証券報告書から抜粋。配当金額は推計

北陸中日新聞(平成23年4月13日:朝刊)
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他の自治体も電力株を保有
電力会社の株式を所有する自治体は、東京都だけでない。
各社の有価証券報告書によると、美浜原発(福井県美浜町)、高浜原発(同県高浜町)を抱える関西電力は、大阪市が保有率8.9%でトップ。
神戸市も2.9%で4位に入る。
志賀原発(石川県志賀町)を運転する北陸電力も、筆頭株主は富山県で保有率は5.1%に上る。
島根原発(松江市)のある中国電力についても、山口県が電力株所有を目的に設立した山口県振興財団が13.3%でトップ。
財団の理事長は二井関成知事が務める。
山口県では、上関原発の建設計画に対して、住民の反対運動が続いている。
しかし、二井知事は建設予定地となる海面の埋め立てを許可し、建設を容認する姿勢を示してきた。
いずれの自治体も戦前からの出資を引き継いだとみられるが、原発推進を資本面で支えてきたことは間違いない。
問題は都が株主としての責任をどれだけ果たしてきたかだろう。
大口投資をしている以上、都は住民の立場を代弁するのが筋だろうが、交通局財務課の担当者は
「株主総会には都合がつく職員が出席してきた。何十年前は分からないが、会社提案の議案に反対したケースはこれまでにないと思う」と話す。
株配当の使途も周知されているとは言い難い。
東電の資料によると、2009年度の配当は1株当たり年間60円で、都には約25億円の配当があった計算になる。
「配当は都営バス事業の収入に繰り入れてきた。
かつて都が電気を使って路面電車を運行していた関係で、最初は路面電車事業の収入に充てられた。
路面電車が廃止されるに従い、これを引き継いで都営バス事業の収入となった」(同)
議会でもあまり注目されいない。
都議会の議事録を調べたところ、東電株の問題が議論されたことは過去10年間で一度もなかった。
株主総会の対応も議会への報告義務がない。
今後について、同課の担当者は「これまでも転売目的で所有していたわけではなく、現時点で東電株の売却は考えていない。株主総会の対応などは未定だ」と答えた。
今回の原発事故では、都民も計画停電の不利益を被った。
一方で、福島県民の受忍を前提とした電力を消費してきた。
多大な補償を迫られる状況を考えると、今まで通りの配当は望めそうもない。
四期目を迎える石原慎太郎知事は「私は原発推進論者です、今でも。日本のような資源のない国で原発を欠かしてしまったら経済は立っていかない」と公言するが、大株主として従来通りの対応でいいのか。
NPO法人「株主オンブズマン」代表を務める関西大の森岡孝二教授(企業社会論)は
「福島原発の問題は、都民だけでなく国民の関心事となっている。東電が進めた原子力政策をどう考えるのか、資本で東電を支えてきた都の姿勢も問われている」と指摘する。
「状況は異なるが、現在の東電はリーマン・ショック後に一時国有化された米国のGM(ゼネラル・モーターズ)に似ている。
株価の損失で都民の資産を減らした事情について、都には説明責任がある。会社提案の議案に、なぜ賛成して、なぜ反対したのか。株主総会の対応も、住民に提示する必要があるだろう」
関連記事【福島事故 東電の株暴落続く】

電力会社の株を所有する主な自治体
*2009年度の各社有価証券報告書から抜粋。配当金額は推計

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福島事故 東電の株暴落続く
原発事故の深刻度を示す国際評価尺度で、最悪のレベル7に引き上げられた東京電力福島第1原発の事故。
株式市場では東電株の暴落が続いているが、東京都が大株主であることはあまり知られていない。
つまり、都民は間接的な株主であるわけだ。
都はこれまで「物言わぬ株主」だった。だが、今回の事故後もそれでよいのか。
国有かもささやかれる中、株主である都のとるべき対応を考えた。
設立から増資まで長い歴史
有価証券報告書によると、昨年9月時点での東京都が所有する東電株は約4,267万株。
第5位の大口株主で、その所有比率は約3.15%に上る。
ちなみに6位は三井住友銀行、7位はみずほコーポレート銀行で、メガバンクより都が上位に位置する格好だ。
なぜ、都が東電株を所有しているのか。歴史的な経緯がある。
株式を管理する都交通局財務課の担当者は
「戦前に電気が国家統制され、地域別の半官半民会社などに再編された。当時の東京市がそこに出資したのがはじまり」と説明する。
東京電力発行の冊子「関東の電気事業と東京電力」によると、戦後、この半官半民会社などが再び編成し直され、1951年5月、現在の東京電力が発足した。
東京証券取引所に上場したのはこの年の8月だ。
1952年3月時点の都の所有株数は、2位の約10万株で、比率は3.5%だった。
会社設立直後から、都が資本面で東電を支えてきた。
大株主の都 だんまり
ちなみに同社の初代会長は新木栄吉元日本銀行総裁。
ほかにも経団連会長や第一生命社長など、大物財界人が経営陣に名を連ね、政財界がそろって同社を支援した。
その後も、増資の度、都は東電株を引き受けてきた。
1960年下期には株主名義を「東京都交通事業管理者」と変えた。
「電気が一般に普及し、工業が復興してくると需要が伸びてきた。東電も設備充実のために資本増強が必要になった。当時は増資を引き受ける民間会社や投資家はまだ少なく、インターネットで一般の個人投資家が売買する時代でもない。都の支援が必要な社会情勢だったのだろう」(交通局財務課の担当者)
震災後700億円越す損失
ところで、今回の福島第1原発の事故以降、東電株は売りが相次いでストップ安が続いた。
震災前に1株2,153円の株価は、先週末からやや持ち直し、4月12日の終値では450円。
この間に都は約726億円の損失を受けた計算になる。
東電株は経営の安定性や高配当から個人投資家にも人気があった。
老後の資金を見込んで東電株に投資して痛い目を見た人たちも多いとみられるが、同時に都民の財産も大幅に欠損した。
関連記事【 「支援」の責任 自覚を 他の自治体も電力株を保有】

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株式市場では東電株の暴落が続いているが、東京都が大株主であることはあまり知られていない。
つまり、都民は間接的な株主であるわけだ。
都はこれまで「物言わぬ株主」だった。だが、今回の事故後もそれでよいのか。
国有かもささやかれる中、株主である都のとるべき対応を考えた。
設立から増資まで長い歴史
有価証券報告書によると、昨年9月時点での東京都が所有する東電株は約4,267万株。
第5位の大口株主で、その所有比率は約3.15%に上る。
ちなみに6位は三井住友銀行、7位はみずほコーポレート銀行で、メガバンクより都が上位に位置する格好だ。
なぜ、都が東電株を所有しているのか。歴史的な経緯がある。
株式を管理する都交通局財務課の担当者は
「戦前に電気が国家統制され、地域別の半官半民会社などに再編された。当時の東京市がそこに出資したのがはじまり」と説明する。
東京電力発行の冊子「関東の電気事業と東京電力」によると、戦後、この半官半民会社などが再び編成し直され、1951年5月、現在の東京電力が発足した。
東京証券取引所に上場したのはこの年の8月だ。
1952年3月時点の都の所有株数は、2位の約10万株で、比率は3.5%だった。
会社設立直後から、都が資本面で東電を支えてきた。
大株主の都 だんまり
ちなみに同社の初代会長は新木栄吉元日本銀行総裁。
ほかにも経団連会長や第一生命社長など、大物財界人が経営陣に名を連ね、政財界がそろって同社を支援した。
その後も、増資の度、都は東電株を引き受けてきた。
1960年下期には株主名義を「東京都交通事業管理者」と変えた。
「電気が一般に普及し、工業が復興してくると需要が伸びてきた。東電も設備充実のために資本増強が必要になった。当時は増資を引き受ける民間会社や投資家はまだ少なく、インターネットで一般の個人投資家が売買する時代でもない。都の支援が必要な社会情勢だったのだろう」(交通局財務課の担当者)
震災後700億円越す損失
ところで、今回の福島第1原発の事故以降、東電株は売りが相次いでストップ安が続いた。
震災前に1株2,153円の株価は、先週末からやや持ち直し、4月12日の終値では450円。
この間に都は約726億円の損失を受けた計算になる。
東電株は経営の安定性や高配当から個人投資家にも人気があった。
老後の資金を見込んで東電株に投資して痛い目を見た人たちも多いとみられるが、同時に都民の財産も大幅に欠損した。
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