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ワカメに微量ヨウ素
志賀原発周辺で初検出

石川県は14日、北陸電力志賀原発(同県志賀町)の周辺海域で採取した若芽から、ごく微量の放射性ヨウ素131を検出したと発表した。
1990年から原発周辺で続けている環境調査の一環で、放射性物質の検出は初めて。
県内では福島第1原発の事故後、大気中のちりから連日検出されており、福島県から飛散してきたヨウ素131が海中に降下して吸収されたと見られる。
ワカメは12日に志賀町吉良沖で採取した。

県危機管理監室によると、測定された数値は1キログラム当たり0.17ベクレルで、摂取制限の同2,000ベクレルの約1万分の一以下。
人体に影響はないという。
また県は14日午前9時までの24時間で、大気中のちりから微量の放射性ヨウ素131を検出したと発表した。
1立方メートル当たり0.5ミリベクレルで人体に影響はないという。

わかめにヨウ素
北陸中日新聞(平成23年4月15日:朝刊)

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基準内食品 冷静な対応を

福島第1原発事故で拡散する放射性物質による汚染で、農、水産物の風評被害が拡大している。
安全性を示す基準は「シーベルト」と「ベクレル」という単位が使われ、消費者には分かりにくい。
自然界からも普通に浴びている放射線。
どの程度で安全とされるのかを理解し、過剰な恐怖を抱かないようにしたい。

放射性物質の汚染

放射性物質は風に乗るなどして広がった。
空気中に漂ったり、地面に落ちたりして放射線を出し続け、皮膚などへの「外部被ばく」の形で人体に影響を与える。
野菜や魚、水も放射性物質で汚染される。
呼吸や食事を通じて放射性物質が体内に入り、体内から放射線を受けるのが「内部被ばく」だ。

放射線が、がんや遺伝子への影響のリスクをどれぐらい与えるか、を表す単位が「シーベルト」。
外部被ばくは毎日報道される大気中の放射線量で分かる。
注意したいのは、これが1時間当たりの数値ということだ。

放射線量が平常時よりやや高い毎時0.0002ミリシーベルト(0.2マイクロシーベルト)の場所に1ヶ月いた場合、積算で0.144ミリシーベルトの被ばくとなる(1ミリシーベルトは1シーベルトの千分の一、1マイクロシーベルトはさらに千分の一)。

内部被ばくの場合は複雑だ。
食べるのと吸い込むのとでは、放射性物質の体内での振る舞いが違う。
子どもには影響が強く出る。
今回の事故を受けて、国は飲食物に含まれる放射性物質の暫定規制値を設けた。
ここで使われている単位が「ベクレル」で、放射性物質が放射線を出す能力を指す。

国際放射線防護委員会(ICRP)は、さまざまな放射性物質を摂取した場合、ベクレルからシーベルトに換算する係数を公表している。
食品の暫定規制値
食品の暫定規制値と換算係数

そこで放射性の「ヨウ素131」を基準値いっぱい含んだ各種の食品を、成人が1ヶ月間飲食し続けた場合の被ばく量を試算してみた。

1キロ当たり300ベクレルの水を1日2リットル飲むと0.396ミリシーベルト。
同300ベクレルの牛乳を1日200cc飲むと0.396シーベルト。
同2,000ベクレルの野菜と魚を1日100グラムずつ食べると、それぞれ0.132ミリシーベルトになる。

外部被ばくとの合計被ばく量は約0.84ミリシーベルトとなった。
野菜
大気・地面からの放射線(外部被ばく)・野菜を食べたときの放射線(内部被ばく)

自然界から受ける放射線量の国内平均は年1.5ミリシーベルト。
これ以外に浴びる限度は、一般の人で年1ミリシーベルトとされてきた。
現実には、この例のように放射能の量が高い食品ばかりを食べることはないだろう。
ただ、被ばくは、さまざまな経路で積み重なることは頭に入れたい。

名古屋大大学院の井口哲夫教授(放射線工学)は「規制値はかなり保守的に厳しく設定された数値。基準内で流通する食品を食べる限り、健康に影響はない」と語る。

<ベクレル> 放射線を出す能力の単位
<シーベルト> 体への影響を表す単位

原子炉から漏れた放射性物質の原子核は不安定な状態で、放射線を出し別の安定した原子核に変わる。
害があるのが放射線。
エネルギーを持つため、大量に人体に当たると、細胞やその中の遺伝子を壊して病気の原因となる。

ベクレルは放射線を出す能力を示し、1ベクレルは1秒間に1つの原子核が壊れ、放射線を出すことを意味する。
火に例えれば、放射能が火力、放射線は熱で、ベクレルは火力の目盛りに相当する。

放射線は、火のように炎や熱で感じられないため、“やけど”をしないよう、人体に与える影響を考えて決めた単位が「シーベルト」。
強い放射線を浴びた場合、500ミリシーベルトでリンパ球の減少などの影響が出始め、その倍の1シーベルトを超えると、吐き気屋脱力感などの自覚症状が出る。

一般の人が問題になるのは、大気に放出された放射性物質による長期的な影響だ。
数年から数十年かけて、がんなどの病気となる可能性があるためだ。
健康に影響が出始める量は、合計100ミリシーベルト以上を受けてからとされる。

しかし、一度に強い放射線を浴びるのと違い、弱い放射線を時間をかけて受けた場合は、やけどが治るように遺伝子も修復され、病気に発展するリスクは低くなる。


放射性物質の汚染
北陸中日新聞(平成23年4月14日:朝刊)


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