総放出量底見えず
福島原発「最悪」レベル7
政府は福島第1原発の事故を、原子力事故国際評価尺度で最も深刻なレベル7に引き上げた。
放出された放射性物質の量は、原子力事故で最悪とされるチェルノブイリ原発事故に比べ、まだ一桁少ないが、いまも漏れ続け、封じ込めのめどさえ立っていない。
福島の事故は最終的にはチェルノブイリを越えてしまうのか。
そうなれば、土壌汚染など周辺地域への影響は深刻なものになる。
放射性物質 細心観測を
■2つの数値
「チェルノブイリを越えるかもしれないような放出になったのは、誠に申し訳ない」。
12日の会見で、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は、放出の拡大を織り込んだような発言をした。
経済産業省の原子力安全・保安院の試算ではヨウ素換算で37万テラベクレル(テラは1兆)、政府への助言機関である原子力安全委員は、同63万テラベクレルと試算した。
チェルノブイリでの放出量は520万テラベクレルだ。
保安院と安全委の数値の違いは算定方法が異なっているため。
保安院は原子炉にあった放射性物質の総量をもとに、ベント(排気)や爆発でどの程度の比率で漏れたかを推定して算出。
安全委は、周辺の観測データをもとに算定した。
保安院は「現在まで相当程度、(ヨウ素など揮発性の)放射性物質は出るものは出てしまったと考えている。大きく量が増えることはない」とする。
だが、福島第1の4機の原発には、炉や使用済み核燃料プールに大量の核燃料が残されている。
敷地内の汚染水には、炉から出た放射性物質が高濃度で含まれる。
余震や炉の損傷など大量放出のリスクは残っている。
算定データ 海への流出含まず
また、海に流出した高レベルの汚染水は集計に含まれていない。
「どれだけ水側に移行したか推測するのは非常に難しい」と安全委は言う。
安斉郁郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「最終的に、チェルノブイリに匹敵する量に達するのではという懸念を持った」と話す。
■違いはどこに
これまでのところ、チェルノブイリとの決定的な違いは、爆発の規模だ。
代谷(しろや)誠治・原子力安全委員は「チェルノブイリは、原子炉が水素爆発し、原子炉で使われていた黒鉛の炎上で放射性物質を上空1キロまで噴き上げた。
福島の事故は格納容器が損傷したのは2号機だけ。1号機と3号機は格納容器の外側で爆発が起こった」と説明する。
原子炉自体が爆発すれば、金属で比重の大きいプルトニウムやストロンチウムのような危険度の高い放射性物質まで放出される。
福島では原子炉の爆発はなく、それらは微量にとどまっているとみられ、ヨウ素やセシウムが主体だ。
安斉名誉教授は「レベル引き上げの背景には、国際社会から何か隠しているのではないかと思われない様に調査して、客観的に見積もる能力があることを示した意味もあるのではないか」と、国際社会の疑念払拭が背景にあるとみる。
■土壌調査必要
チェルノブイリでは、半径30キロ圏内の11万6000人が移住を余儀なくされ、再び古里へ戻ることはない。
福島では20キロ圏内に避難指示が出され、その圏外の放射線の換算値が高い地域にも避難区域が設定された。
研究者は、将来的な見通しには「詳細なデータが必要」と口をそろえる。
今中哲二・京大原子炉実験所助教は「土壌の汚染度がチェルノブイリ周辺を超えるような地域があるのは確かだが、客観的な被害はまだ分からない」という。
首都大学東京の福士正広教授(放射線管理学)は「100メートル間隔くらいで放射線量を測定するべきだ。高かったところで土壌を採取し、どんな放射性物質か、その核種を調べればよい。そうすれば特に汚染の著しい場所が特定でき、そうでないところは、居住も農業も出来る」と話す。
ヨウ素汚染なら数ヶ月で消えてしまうが、将来的に問題となるのは半減期が長かったり毒性が強かったりする放射性物質の残留量だ。
今後も放射性物質の流出が続く事態が予想される。
チェルノブイリのように故郷を失いかねない地域住民のため、細心の観測が求められている。

チェルノブイリ・福島第1原発事故比較表

北陸中日新聞(平成23年4月13日:朝刊)
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福島の事故は最終的にはチェルノブイリを越えてしまうのか。
そうなれば、土壌汚染など周辺地域への影響は深刻なものになる。
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「チェルノブイリを越えるかもしれないような放出になったのは、誠に申し訳ない」。
12日の会見で、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は、放出の拡大を織り込んだような発言をした。
経済産業省の原子力安全・保安院の試算ではヨウ素換算で37万テラベクレル(テラは1兆)、政府への助言機関である原子力安全委員は、同63万テラベクレルと試算した。
チェルノブイリでの放出量は520万テラベクレルだ。
保安院と安全委の数値の違いは算定方法が異なっているため。
保安院は原子炉にあった放射性物質の総量をもとに、ベント(排気)や爆発でどの程度の比率で漏れたかを推定して算出。
安全委は、周辺の観測データをもとに算定した。
保安院は「現在まで相当程度、(ヨウ素など揮発性の)放射性物質は出るものは出てしまったと考えている。大きく量が増えることはない」とする。
だが、福島第1の4機の原発には、炉や使用済み核燃料プールに大量の核燃料が残されている。
敷地内の汚染水には、炉から出た放射性物質が高濃度で含まれる。
余震や炉の損傷など大量放出のリスクは残っている。
算定データ 海への流出含まず
また、海に流出した高レベルの汚染水は集計に含まれていない。
「どれだけ水側に移行したか推測するのは非常に難しい」と安全委は言う。
安斉郁郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「最終的に、チェルノブイリに匹敵する量に達するのではという懸念を持った」と話す。
■違いはどこに
これまでのところ、チェルノブイリとの決定的な違いは、爆発の規模だ。
代谷(しろや)誠治・原子力安全委員は「チェルノブイリは、原子炉が水素爆発し、原子炉で使われていた黒鉛の炎上で放射性物質を上空1キロまで噴き上げた。
福島の事故は格納容器が損傷したのは2号機だけ。1号機と3号機は格納容器の外側で爆発が起こった」と説明する。
原子炉自体が爆発すれば、金属で比重の大きいプルトニウムやストロンチウムのような危険度の高い放射性物質まで放出される。
福島では原子炉の爆発はなく、それらは微量にとどまっているとみられ、ヨウ素やセシウムが主体だ。
安斉名誉教授は「レベル引き上げの背景には、国際社会から何か隠しているのではないかと思われない様に調査して、客観的に見積もる能力があることを示した意味もあるのではないか」と、国際社会の疑念払拭が背景にあるとみる。
■土壌調査必要
チェルノブイリでは、半径30キロ圏内の11万6000人が移住を余儀なくされ、再び古里へ戻ることはない。
福島では20キロ圏内に避難指示が出され、その圏外の放射線の換算値が高い地域にも避難区域が設定された。
研究者は、将来的な見通しには「詳細なデータが必要」と口をそろえる。
今中哲二・京大原子炉実験所助教は「土壌の汚染度がチェルノブイリ周辺を超えるような地域があるのは確かだが、客観的な被害はまだ分からない」という。
首都大学東京の福士正広教授(放射線管理学)は「100メートル間隔くらいで放射線量を測定するべきだ。高かったところで土壌を採取し、どんな放射性物質か、その核種を調べればよい。そうすれば特に汚染の著しい場所が特定でき、そうでないところは、居住も農業も出来る」と話す。
ヨウ素汚染なら数ヶ月で消えてしまうが、将来的に問題となるのは半減期が長かったり毒性が強かったりする放射性物質の残留量だ。
今後も放射性物質の流出が続く事態が予想される。
チェルノブイリのように故郷を失いかねない地域住民のため、細心の観測が求められている。

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