世界最大市場トップが集結 上海モーターショー

世界最大市場トップが集結　上海モーターショー

中国上海市で19日開催した中国最大の自動車展示会、上海モーターショーには、東日本大震災で自動車の生産体制に影響が出る中、日系各社のトップが出席。
世界一の自動車市場を重視する姿勢を印象づけた。
中国では今年に入り燃油費が急上昇、各社は燃費の良い小型車やハイブリッド車をアピールした。

トヨタ自動車の豊田章男社長は出席しない予定だったが、急きょ上海入り。
中国政府や国民への感謝の言葉を述べた上で「日本の状況をかんがみ、訪中はぎりぎりまで悩んだ」と話した。

三菱自動車の益子修社長は震災後、初の海外訪問。
「中国の人たちに直接、義援金などのお礼を言い、生産の現状を伝えたかった」。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長も中国の支援や見舞いに謝意を示した。

中国市場で日系各社は今年1～3月、小型車の販売シェア（市場占有率）を前年比34％減と大幅に落とし、かわって欧米系メーカーが台頭。
モーターショーに展示されたトヨタ「イーズ」、日産「新型ティーダ」、三菱「グローバルスモール」など新車導入で巻き返しを図る。

中国のガソリン価格は今年既に2度の値上げがあり、自動車販売を拡大するには低燃費、低価格がキーワードとなっている。

各社とも震災で被災した部品メーカーの再建を支援し、海外工場から供給を受けるなどの対応に追われる。
三菱は電子部品の供給難からカーナビの生産に影響が出ているが、益子社長は「下半期にはほぼ回復する」と述べた。
三菱や日産は目標の年間販売台数を変えない方針だが、マツダは下方修正する見込み。

昨年の中国の新車販売数は186万台と前年比32.4％増の驚異的な伸び。
今年1～3月は乗用車全体で前年同期比13％増となっている。


北陸中日新聞（平成23年4月20日：朝刊）


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