情報公開の徹底を
世界初処分場を着工 フィンランドの事例に学ぶ
なぜフィンランドが、世界で初めて最終処分場の建設に着手したのか。
「将来起こりそうな問題を予見氏、事前に処理する。放射性廃棄物についても万全の対策を講じようとした」
と語るのは、北欧諸国の事情に詳しい「スウェーデン社会研究所」の須永博所長だ。
フィンランドは、独自の技術で原発を推進する隣国スウェーデンと連携してきた。
最終処分場についても、計画自体はスウェーデンの方が先行していた。
同国での着工予定は2013年だ。
原発は世界30カ国に432基あり、フィンランドは4基(世界18位)、スウェーデンは10基(10位)だ。
須永氏は「産業を復興していくためには原発が必要と判断した」と解説する。
それでも国民の間からは、未解決の最終処分問題に疑問の声が上がり続けた。
両国政府が目をそらさずに、いち早く処分場の選定に取り組んだことが、国民的議論を巻き起こしたとも言える。
スウェーデンは1980年、国民投票で原発の是非を問い、条件付で賛成が6割、反対は4割。
反対の主な理由が処分問題だった。
当時の国会は、2010年までに全廃する方針を決めたが、2009年、現状の10基体制の維持へと転換。
フィンランドも、5基体制で行くことになっている。
両国ともに「共存路線」といったほうが現実に近い。
一方、日本では使用済み核燃料の処分方法が確立されないまま、54基もの原発が立っている。
使用済み核燃料から核物質のプルトニウムとウランを取り出し、燃料として再利用する「核燃料サイクル路線」を推し進めてきたものの、行き詰まっている。
青森県六ヶ所村の再処理工場はいまだに稼動していない。
六ヶ所村と全国の原発施設には、使用済み核燃料が福島第一原発の事故前で約1万6300トンもたまっている。
仮に再処理が出来たとしても、高レベルの放射性物質が残る。
再処理せずに捨てる「直接処分方式」のフィンランドと同様、最終処分の問題は付いて回るわけだ。
処分事業を担う「原子力発電環境整備機構(NUMO)の計画では、まず放射性廃棄物に流し込み「ガラス固化体」(高さ約1.3メートル、直径約0.4メートル)を作る。
これを30~50年間冷やした後、300メートル以上の地下の岩盤に埋める「地層処分」とする。
その際、鉄製の容器や粘土固めなど「4つのバリアー」で閉じ込めて「ガラス固化体と地下水が少なくとも1000年間は接触しないようにする」という。
だが、豊富な地下水と活断層に覆われた日本で適地を探すのは難しい。
調査に応じた市町村に90億円が国から交付されるが現在、動きは無い。
今、六ヶ所村などに貯蔵するガラス固化体は1700本。
国内の使用済み核燃料をすべて再処理すると、約2万4100本に上り、さらに年間で1300~600本増えていく。
原発大国の米国でも、使用済み核燃料は行き場を失っている。
ネバタ州ユッカマウンテンで処理場建設が決まったが、地元の反対などでオバマ大統領が白紙撤回した。
舘野淳・元中央大教授(核燃料化学)は
「米国は原発の敷地が広いから貯蔵する中間処理施設を造ってためておけるが、日本では地元の理解を得るのは難しい。最終処分場選びはもっと困難だ。解答は誰も持ち合わせていない」と指摘する。
須永氏は「福島の事故を機に原発をやめるのか、それでも進めるのかを徹底した情報公開によって国民に問うべきだ」とし、こう促す。
「もし脱原発に向かったとしても、既にたまった放射性廃棄物の処理の問題は残る。日本は技術面、情報公開のあり方などをフィンランドから学ぶべきだ」

放射性廃棄物の地層処分

使用済み核燃料

北陸中日新聞(平成23年5月21日:朝刊)
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世界初処分場を着工 フィンランドの事例に学ぶ
なぜフィンランドが、世界で初めて最終処分場の建設に着手したのか。
「将来起こりそうな問題を予見氏、事前に処理する。放射性廃棄物についても万全の対策を講じようとした」
と語るのは、北欧諸国の事情に詳しい「スウェーデン社会研究所」の須永博所長だ。
フィンランドは、独自の技術で原発を推進する隣国スウェーデンと連携してきた。
最終処分場についても、計画自体はスウェーデンの方が先行していた。
同国での着工予定は2013年だ。
原発は世界30カ国に432基あり、フィンランドは4基(世界18位)、スウェーデンは10基(10位)だ。
須永氏は「産業を復興していくためには原発が必要と判断した」と解説する。
それでも国民の間からは、未解決の最終処分問題に疑問の声が上がり続けた。
両国政府が目をそらさずに、いち早く処分場の選定に取り組んだことが、国民的議論を巻き起こしたとも言える。
スウェーデンは1980年、国民投票で原発の是非を問い、条件付で賛成が6割、反対は4割。
反対の主な理由が処分問題だった。
当時の国会は、2010年までに全廃する方針を決めたが、2009年、現状の10基体制の維持へと転換。
フィンランドも、5基体制で行くことになっている。
両国ともに「共存路線」といったほうが現実に近い。
一方、日本では使用済み核燃料の処分方法が確立されないまま、54基もの原発が立っている。
使用済み核燃料から核物質のプルトニウムとウランを取り出し、燃料として再利用する「核燃料サイクル路線」を推し進めてきたものの、行き詰まっている。
青森県六ヶ所村の再処理工場はいまだに稼動していない。
六ヶ所村と全国の原発施設には、使用済み核燃料が福島第一原発の事故前で約1万6300トンもたまっている。
仮に再処理が出来たとしても、高レベルの放射性物質が残る。
再処理せずに捨てる「直接処分方式」のフィンランドと同様、最終処分の問題は付いて回るわけだ。
処分事業を担う「原子力発電環境整備機構(NUMO)の計画では、まず放射性廃棄物に流し込み「ガラス固化体」(高さ約1.3メートル、直径約0.4メートル)を作る。
これを30~50年間冷やした後、300メートル以上の地下の岩盤に埋める「地層処分」とする。
その際、鉄製の容器や粘土固めなど「4つのバリアー」で閉じ込めて「ガラス固化体と地下水が少なくとも1000年間は接触しないようにする」という。
だが、豊富な地下水と活断層に覆われた日本で適地を探すのは難しい。
調査に応じた市町村に90億円が国から交付されるが現在、動きは無い。
今、六ヶ所村などに貯蔵するガラス固化体は1700本。
国内の使用済み核燃料をすべて再処理すると、約2万4100本に上り、さらに年間で1300~600本増えていく。
原発大国の米国でも、使用済み核燃料は行き場を失っている。
ネバタ州ユッカマウンテンで処理場建設が決まったが、地元の反対などでオバマ大統領が白紙撤回した。
舘野淳・元中央大教授(核燃料化学)は
「米国は原発の敷地が広いから貯蔵する中間処理施設を造ってためておけるが、日本では地元の理解を得るのは難しい。最終処分場選びはもっと困難だ。解答は誰も持ち合わせていない」と指摘する。
須永氏は「福島の事故を機に原発をやめるのか、それでも進めるのかを徹底した情報公開によって国民に問うべきだ」とし、こう促す。
「もし脱原発に向かったとしても、既にたまった放射性廃棄物の処理の問題は残る。日本は技術面、情報公開のあり方などをフィンランドから学ぶべきだ」

放射性廃棄物の地層処分

使用済み核燃料

北陸中日新聞(平成23年5月21日:朝刊)
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