原発事故後 連発の“迷”台詞
「直ちに」解釈不一致
東京電力福島第一原発事故後、枝野幸男官房長官が繰り返した「直ちに健康に被害はない」という台詞。
その「直ちに」の解釈が、官房長官と経済産業省原子力安全・保安院の間で食い違うことが分かった。
市民にとって最大の関心事は被ばくの影響だが、これでは政府には到底頼れない。
言葉は政治家の命だが、首相退陣の合意書のみならず、その劣化が「人災」を招いているとも言えそうだ。
枝野官房長官は事故発生直後から会見で「直ちに」発言を連発した。
「直ちに人体に影響を及ぼす数値ではない。そこで活動したら、直ちに危険と言う数値ではない」(3月16日、20~30キロ圏内の放射線量について)
「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない。冷静な対応をお願いしたい」(3月19日、福島県の牛乳と茨城県のホウレンソウから基準を超える放射性物質が検出されたことについて)
「すぐに健康に影響が出るものではないし、将来、健康に影響を残すものではない」(3月22日、高濃度の放射性セシウムが広範囲で検出されたことについて)
「直ちに影響はない」は「健康に影響なし」という意味か、それとも「長期的には影響あり」なのか。
衆院科学技術特別委員長の川内博史衆院議員(民主)が、内閣官房と内閣府に問いただしたところ、経済産業省原子力安全・保安院から次のような回答があった。
1.官房長官より「直ちに健康に影響はない」との説明が行われているが、これは、単に「健康に影響hない」ということと同じ意味ではない。
2.一定以上被ばくした場合、健康被害が発生することが知られているが、避難区域外の大気、水道水、農作物、土壌等から検出された放射性物質の量は、長期的・継続的に摂取しない限りは、健康に影響が出る水準ではない。
3.官房長官は、こうした趣旨から混乱や風評被害を避けるために「直ちに健康に影響はない」と発言した。
川内氏は回答文書の意味について、保安院の担当者に「長期的に摂取する場合は影響が出るということか」と念押しすると、「そうだ」と認めたと言う。
ところが、枝野氏は5月20日、記者団から「直ちに」発言について「楽観的アナウンスが多くの人を被ばくさせた懸念もあるが」と質問されると、こう言い切った。
「原発の状況が現状のままなら直ちに影響しないが、状況が悪化すれば、さらに避難をお願いする可能性があるという意味で『直ちに』との表現を使った。将来的に影響が起こる可能性を意味して『直ちに』との表現を使ったことはない」
これは保安院と正反対の解釈だ。
枝野氏は放射能の専門家ではない。
当然、保安院などが想定問答を作っていたと見られるが、その解釈を忘れてしまったのか。
川内氏は「枝野氏はその場その場で言い逃れをしている。保安院からは『直ちに』の意味について説明を受けているはずだ」と批判する。

北陸中日新聞(平成23年6月14日:朝刊)
いつもありがとうございます!

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その「直ちに」の解釈が、官房長官と経済産業省原子力安全・保安院の間で食い違うことが分かった。
市民にとって最大の関心事は被ばくの影響だが、これでは政府には到底頼れない。
言葉は政治家の命だが、首相退陣の合意書のみならず、その劣化が「人災」を招いているとも言えそうだ。
枝野官房長官は事故発生直後から会見で「直ちに」発言を連発した。
「直ちに人体に影響を及ぼす数値ではない。そこで活動したら、直ちに危険と言う数値ではない」(3月16日、20~30キロ圏内の放射線量について)
「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない。冷静な対応をお願いしたい」(3月19日、福島県の牛乳と茨城県のホウレンソウから基準を超える放射性物質が検出されたことについて)
「すぐに健康に影響が出るものではないし、将来、健康に影響を残すものではない」(3月22日、高濃度の放射性セシウムが広範囲で検出されたことについて)
「直ちに影響はない」は「健康に影響なし」という意味か、それとも「長期的には影響あり」なのか。
衆院科学技術特別委員長の川内博史衆院議員(民主)が、内閣官房と内閣府に問いただしたところ、経済産業省原子力安全・保安院から次のような回答があった。
1.官房長官より「直ちに健康に影響はない」との説明が行われているが、これは、単に「健康に影響hない」ということと同じ意味ではない。
2.一定以上被ばくした場合、健康被害が発生することが知られているが、避難区域外の大気、水道水、農作物、土壌等から検出された放射性物質の量は、長期的・継続的に摂取しない限りは、健康に影響が出る水準ではない。
3.官房長官は、こうした趣旨から混乱や風評被害を避けるために「直ちに健康に影響はない」と発言した。
川内氏は回答文書の意味について、保安院の担当者に「長期的に摂取する場合は影響が出るということか」と念押しすると、「そうだ」と認めたと言う。
ところが、枝野氏は5月20日、記者団から「直ちに」発言について「楽観的アナウンスが多くの人を被ばくさせた懸念もあるが」と質問されると、こう言い切った。
「原発の状況が現状のままなら直ちに影響しないが、状況が悪化すれば、さらに避難をお願いする可能性があるという意味で『直ちに』との表現を使った。将来的に影響が起こる可能性を意味して『直ちに』との表現を使ったことはない」
これは保安院と正反対の解釈だ。
枝野氏は放射能の専門家ではない。
当然、保安院などが想定問答を作っていたと見られるが、その解釈を忘れてしまったのか。
川内氏は「枝野氏はその場その場で言い逃れをしている。保安院からは『直ちに』の意味について説明を受けているはずだ」と批判する。

北陸中日新聞(平成23年6月14日:朝刊)
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