高線量地名 伏せた文科省
福島県浪江町赤宇木地区
またもや政府の「情報隠し」だ。福島県浪江町赤宇木(あこうぎ)地区。
文部科学省などが福島県第一原発から半径20キロ圏外で放射線量を測定している地点のうち、突出して高い値を示しているにもかかわらず、その地名は1ヶ月間も伏せられた。
近隣住民から当時の事情を聴くと、被災者が無防備に被ばくを強いられた実態が見えてくる。
赤宇木の現状はどうなっているのか。
雨模様の先月26日、赤宇木と隣接する浪江町津島でキャンプ場を営む杉本祐子さん(56)に案内してもらった。
浪江町は、警戒区域の浜通り側と、計画的避難区域に指定されている20~30キロ圏内の赤宇木や津島などの山側に分かれる。
杉本さんのキャンプ場は原発から約30キロ。
そこから車で国道114号を浜通り方面へと向かう。
赤宇木の手前で検問中の警察犬に止められたが、杉本さんが地元住民ということで通してもらった。
「空き巣対策でしょう。1000万円分の農機具を盗まれた人もいる」と杉本さん。
確かに巡回中のパトカーと何度も出くわした。
浜通りの町民大挙 国道は大渋滞
何も知らされず退避
人の姿はない。ある小ぎれいな家の前を通ると、杉本さんは「友人の家です。建て替えたばかり。最近まで住んでいた」とつぶやいた。
避難所代わりになっていた赤宇木集会場の周辺には、空き缶やテレビなどが散乱していた。
警戒区域への立ち入りを禁止するバリケードにぶつかった後、国道北側の山間部へ。
杉本さんによれば、赤宇木には戦後、満州からの帰還者が多く住みついた。
中でも、山側に深く分け入った赤宇木手七郎と呼ばれる地域は雪が多く、冬場は孤立しがちな僻地だという。
「手七郎はマツタケの産地で有名。大変な苦労をしながらこつこつと山野を田んぼや畑に変えてきた。それがすべて水泡に帰そうとしている」
この間、手元の測定器で放射線量を測ってみると、車内で毎時8~15マイクロシーベルトを計測、車外ではさらに数マイクロシーベルトアップした。
年に換算すると、がんで死亡する確率が急上昇する100ミリシーベルトを超える高線量だ。
事故発生直後は、もう1桁高かった。
震災翌日の3月12日、原発から漏れた放射性物質は谷間の国道114号を伝うように、赤宇木や津島に流れた。
にもかかわらず、浜通利の町民が大挙して津島や赤宇木に押し寄せた。
幹線道路は国道114号のみ。
ふだんなら車で30分の距離だが、当時は4時間もかかる大渋滞が起きた。
分からず逃げてきた
杉本さんは「海側の住民は町役場に『津島に避難しろ』と指示され、何が起こっているかも分からずに逃げてきたようだ。津島や赤宇木の放射線量が高いとは、誰も知らなかった」と振り返る。
だが、早々と情報をつかんでいた人たちがいる。
放射線モニタリング調査を統括する文科省だ。


北陸中日新聞(平成23年7月6日:朝刊)
いつもありがとうございます!

オートプラザ青木の
お買得中古車をチェック
新車・中古車販売・車検・点検・オイル交換・タイヤ交換
お車のことならお任せ下さい!
福島県浪江町赤宇木地区
またもや政府の「情報隠し」だ。福島県浪江町赤宇木(あこうぎ)地区。
文部科学省などが福島県第一原発から半径20キロ圏外で放射線量を測定している地点のうち、突出して高い値を示しているにもかかわらず、その地名は1ヶ月間も伏せられた。
近隣住民から当時の事情を聴くと、被災者が無防備に被ばくを強いられた実態が見えてくる。
赤宇木の現状はどうなっているのか。
雨模様の先月26日、赤宇木と隣接する浪江町津島でキャンプ場を営む杉本祐子さん(56)に案内してもらった。
浪江町は、警戒区域の浜通り側と、計画的避難区域に指定されている20~30キロ圏内の赤宇木や津島などの山側に分かれる。
杉本さんのキャンプ場は原発から約30キロ。
そこから車で国道114号を浜通り方面へと向かう。
赤宇木の手前で検問中の警察犬に止められたが、杉本さんが地元住民ということで通してもらった。
「空き巣対策でしょう。1000万円分の農機具を盗まれた人もいる」と杉本さん。
確かに巡回中のパトカーと何度も出くわした。
浜通りの町民大挙 国道は大渋滞
何も知らされず退避
人の姿はない。ある小ぎれいな家の前を通ると、杉本さんは「友人の家です。建て替えたばかり。最近まで住んでいた」とつぶやいた。
避難所代わりになっていた赤宇木集会場の周辺には、空き缶やテレビなどが散乱していた。
警戒区域への立ち入りを禁止するバリケードにぶつかった後、国道北側の山間部へ。
杉本さんによれば、赤宇木には戦後、満州からの帰還者が多く住みついた。
中でも、山側に深く分け入った赤宇木手七郎と呼ばれる地域は雪が多く、冬場は孤立しがちな僻地だという。
「手七郎はマツタケの産地で有名。大変な苦労をしながらこつこつと山野を田んぼや畑に変えてきた。それがすべて水泡に帰そうとしている」
この間、手元の測定器で放射線量を測ってみると、車内で毎時8~15マイクロシーベルトを計測、車外ではさらに数マイクロシーベルトアップした。
年に換算すると、がんで死亡する確率が急上昇する100ミリシーベルトを超える高線量だ。
事故発生直後は、もう1桁高かった。
震災翌日の3月12日、原発から漏れた放射性物質は谷間の国道114号を伝うように、赤宇木や津島に流れた。
にもかかわらず、浜通利の町民が大挙して津島や赤宇木に押し寄せた。
幹線道路は国道114号のみ。
ふだんなら車で30分の距離だが、当時は4時間もかかる大渋滞が起きた。
分からず逃げてきた
杉本さんは「海側の住民は町役場に『津島に避難しろ』と指示され、何が起こっているかも分からずに逃げてきたようだ。津島や赤宇木の放射線量が高いとは、誰も知らなかった」と振り返る。
だが、早々と情報をつかんでいた人たちがいる。
放射線モニタリング調査を統括する文科省だ。


北陸中日新聞(平成23年7月6日:朝刊)
いつもありがとうございます!


オートプラザ青木の

新車・中古車販売・車検・点検・オイル交換・タイヤ交換
お車のことならお任せ下さい!
- 関連記事
-
- 情報隠し町民被ばく (2011/07/07)
- 地名伏せた文科省ー福島県浪江町赤宇木地区 (2011/07/07)
この記事のトラックバックURL
http://yasuicar.blog28.fc2.com/tb.php/519-c4d2137c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック