NY円、一時99円台
【ニューヨーク共同】
8日のニューヨーク外国為替市場の円相場は円高ドル安が進み、1ドル=100円の大台を再び突破し、一時99円99銭まで上昇した。
邦銀筋が明らかにした。
99円台は、英国民投票で欧州連合(EU)離脱派の勝利が決まった6月24日に東京市場で付けて以来、半月ぶり。
離脱問題を発端とした市場の動揺が止まらず、欧州の銀行の経営問題にも飛び火。
市場では「安全資産」とされる円が買われやすくなっていた。
米労働省が8日発表した6月の雇用統計で、就業者の伸びが事前の予想を上回ったものの、円高進行は止まらなかった。
急激な円高は輸出企業の収益を圧迫して日本経済に打撃を与えかねず、政府、日銀に対応を求める声が高まりそうだ。
円相場は6月24日に1ドル=99円ちょうどまで上がった後、100~103円で推移していた。
長期金利が最低更新
8日の国債市場は、長期金利の指標である新発10年債(343回債、表面利率0.1%)の利回りが一時、マイナス0.300%と過去最低を更新した。
終値は前日比0.010%低いマイナス0.290%で、終値としても過去最低となった。
マイナス金利の借金模索
財務省、金融機関は難色
財務省は多くの国債利回りがマイナスに落ち込んだ状況を受け、国が民間金融機関から直接借金する際にもマイナス金利を適用できないかどうか模索を始めた。
お金を貸して逆に利子を払う形となる金融機関側が難色を示し、すぐに実現する見通しは立たないが、市場のマイナス金利がさらに拡大すれば日の目を見る可能性があるとみて論点を整理しておく方針だ。
政府は財源不足を補うため、国債を発行して市場から資金を調達することに加え、地方交付税を管理するものなど三つの特別会計では金融機関から定期的にお金を借りている。
こうした借金は入札で行うが、現在のシステムは年0.001%が下限のため、落札金利はこれ以上下がることがなく最近は0.001%に張り付いている。
マイナス金利が実現すれば、国は借金をして逆に利子をもらえることになり、その分だけ納税者の負担は軽くなる。
このため財務省は一部の金融機関に対し、入札でマイナス金利の提示が可能となるようシステムを変更した場合、マイナス金利で応札する可能性があるかどうかと打診した。
金融機関には、国にマイナス金利で貸せば企業や個人向けの融資でも同様の対応を迫られるとの警戒感が強く、前向きな反応は今のところ出ていない。
ただ、日銀のマイナス金利政策の下で、金融機関は日銀に預ける当座預金の一部に年0.1%の金利を課される。
これより小さなマイナス幅で国にお金を貸せば、損失を減らせる余地はある。

北國新聞:平成28年7月9日 朝刊より一部コピー↑
【ニューヨーク共同】
8日のニューヨーク外国為替市場の円相場は円高ドル安が進み、1ドル=100円の大台を再び突破し、一時99円99銭まで上昇した。
邦銀筋が明らかにした。
99円台は、英国民投票で欧州連合(EU)離脱派の勝利が決まった6月24日に東京市場で付けて以来、半月ぶり。
離脱問題を発端とした市場の動揺が止まらず、欧州の銀行の経営問題にも飛び火。
市場では「安全資産」とされる円が買われやすくなっていた。
米労働省が8日発表した6月の雇用統計で、就業者の伸びが事前の予想を上回ったものの、円高進行は止まらなかった。
急激な円高は輸出企業の収益を圧迫して日本経済に打撃を与えかねず、政府、日銀に対応を求める声が高まりそうだ。
円相場は6月24日に1ドル=99円ちょうどまで上がった後、100~103円で推移していた。
長期金利が最低更新
8日の国債市場は、長期金利の指標である新発10年債(343回債、表面利率0.1%)の利回りが一時、マイナス0.300%と過去最低を更新した。
終値は前日比0.010%低いマイナス0.290%で、終値としても過去最低となった。
マイナス金利の借金模索
財務省、金融機関は難色
財務省は多くの国債利回りがマイナスに落ち込んだ状況を受け、国が民間金融機関から直接借金する際にもマイナス金利を適用できないかどうか模索を始めた。
お金を貸して逆に利子を払う形となる金融機関側が難色を示し、すぐに実現する見通しは立たないが、市場のマイナス金利がさらに拡大すれば日の目を見る可能性があるとみて論点を整理しておく方針だ。
政府は財源不足を補うため、国債を発行して市場から資金を調達することに加え、地方交付税を管理するものなど三つの特別会計では金融機関から定期的にお金を借りている。
こうした借金は入札で行うが、現在のシステムは年0.001%が下限のため、落札金利はこれ以上下がることがなく最近は0.001%に張り付いている。
マイナス金利が実現すれば、国は借金をして逆に利子をもらえることになり、その分だけ納税者の負担は軽くなる。
このため財務省は一部の金融機関に対し、入札でマイナス金利の提示が可能となるようシステムを変更した場合、マイナス金利で応札する可能性があるかどうかと打診した。
金融機関には、国にマイナス金利で貸せば企業や個人向けの融資でも同様の対応を迫られるとの警戒感が強く、前向きな反応は今のところ出ていない。
ただ、日銀のマイナス金利政策の下で、金融機関は日銀に預ける当座預金の一部に年0.1%の金利を課される。
これより小さなマイナス幅で国にお金を貸せば、損失を減らせる余地はある。

北國新聞:平成28年7月9日 朝刊より一部コピー↑